ミズメ (カバノキ科カバノキ属)【水芽】
(Betula grossa)
別名:ヨグソミネバリ(夜糞峰榛)、アズサ(梓)
岩手県以南から九州までの山岳地に分布し、ブナ帯あたりに生える高木です。
「ダケカンバ」や「シラカンバ」などと同科ですが、カバノキの仲間の中ではもっとも大きくなる種類だそうです。
弾力のよい木材なので古来から神事に使う「梓弓」の材料とされ「梓」の別名をもちます。
そしてもうひとつの別名があまりに残念な名前「夜糞峰榛」です。
「峰榛」というのはカバノキ類のことらしいので良いのですが「夜糞」とは。
樹液にサリチル酸メチルを多く含み、枝を折ると臭いがすることが由来とされますが、サリチル酸メチルならサロメチールですから、快不快は別として芳香的な臭いだと思うのですが…
実際、昔は湿布薬として使われていたという話もあるようです。
古代の人は嗅覚の感覚が現代と違っていたのでしょうか。
若い樹の外皮はサクラに似ているので「ミズメザクラ」とも呼ばれます。