ネナシカズラ (ヒルガオ科ネナシカズラ属)【根無葛】
(Cuscuta japonica)
「根無し草」という言葉がありますが、歌の文句などで使われるときの多くは「ウキクサ」をイメージしているようです。
ウキクサは水面を当て所もなく漂ってはいますが、一応根はあります。
しかし、このネナシカズラは正真正銘の根無し草。
種子が発芽するとすぐに他の植物に絡みつき、寄生根を出して寄主に食いついて養分を得て、本来の根は枯れて無くなってしまう寄生植物です。
葉も痕跡程度に退化し葉緑素をもたず、発芽して数日内に寄主となる植物に取り付けないと枯れてしまうという徹底ぶり。
つまり、「根も葉も無い」黄色っぽくて茶色い斑点のある針金状の茎だけが本体となって、そこにいきなり花を咲かせる奇っ怪な植物なのです。
花はとても小さいですが、5弁の白い鐘形のちゃんとした花です。
東京都 絶滅危惧ⅠA類(CR)