エゴノキ (エゴノキ科エゴノキ属)
(Styrax japonicus)
雑木林のわりあい日当たりの良いところに生える樹木ですが、公園の植樹にも見られます。
初夏に白い花が吊り下がる形で咲き、最盛期には密に鈴なりになります。
5裂の星型の花は、その形のままで散って落ちてくるので、林内でもこの樹の周りの地面が白く覆われ、存在がすぐ判ります。
花の後には、緑のサクランボのような実がなります。
この実の果皮にはエゴサポニンという有毒物質が含まれます。
エゴサポニンには界面活性作用があるので、昔は石鹸の代わりに使われていたこともあります。
よく似た「ハクウンボク」は同属です。
実もとっくに落ちた11月に、花が咲いていてびっくりしました。
完全に「狂い咲き」ですが、調べてみるとわりあいよくあることのようでした。
自然に落葉する前に、強風や虫食いなどで葉が無くなってしまうと、花芽の成長と開花の進行を抑制するホルモンのバランスが狂ってしまうそうです。
この現象は、普通のサクラなどでもよくあることのようです。
この年は、関東に大型台風が何度も直撃し、そのあと暖かい日が続いたので狂い咲きの条件が揃ってしまったのでしょう。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】