シラネアオイ (APG:キンポウゲ科シラネアオイ属)(シラネアオイ科)【白根葵】
(Glaucidium palmatum)
亜高山の花の中でも、もっとも華やかなもののひとつでしょう。
花の大きさといいい、色合いといい、たいへん目を引く、それでいて気品と清楚さのある花です。
4弁の大きな花は正確には花弁ではなく萼片で、花そのものは2本の雌しべと数多くの雄しべから成っています。
花の直下には丸くギザギザの襟巻のような苞葉があり、その下に互生する2枚の茎葉がつくという独特の体制です。
花も葉も薄く柔らかく、この葉では鹿に食べられる食害にあうのももっともです。
主に日本海側の多雪地のブナの林下に生育することが多いようです。
日本固有の一属一種の植物で、各地で絶滅危惧種となっています。
キンポウゲ科となっていますが、分類的には特異な種類らしく、「シラネアオイ科」として独立させるべきとの説もあるようです。
ときに白花が現われることがあり、「シロバナシラネアオイ」として品種分けする見かたもあるようです。