セイタカアワダチソウ (キク科アキノキリンソウ属)(APG:キク科)【背高泡立草】
(学名:Solidago canadensis var. scabra)
河原や空き地に猛烈な勢いで繁殖し、花粉症の元凶としても忌み嫌われることが多い帰化植物ですが、明治末期に切り花などの園芸用に導入されたのが最初です。
北アメリカ原産で、終戦後の米軍の物資とともに大量に繁殖するようになったようです。
一般には嫌われることが多いですが、花の少なくなる秋のこの時期にミツバチの蜜源として貴重な存在らしく、養蜂家にとっては重要な花だそうです。
実際、多くの蜂や虻、蝶などが群がってきます。
また、花粉症の元として悪名高いイメージでしたが、それは最近ではほぼ否定されたようです。
「ブタクサ」と混同されている面が多いかもしれませんね。
むしろ、草をハーブとして使えるようで、アトピーや喘息などに効く薬草として紹介している例もあるくらいです。
しかし繁殖力は脅威的で、要注意外来生物に指定されているほか、日本の侵略的外来種ワースト100にも挙げられています。
根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出す「アレロパシー」作用を発揮するため独占的に大繁殖するのですが、数年たつと土壌の養分を使い果たしまたアレロパシー成分が自らの成長も抑制するようになり、勢いが衰えてくるそうです。
このあたりは、「ナガミヒナゲシ」などと同じような現象といえるかもしれません。
有害かどうかを別にすれば、秋の陽を浴びて青空の下で、その名のように黄金に泡立つように輝いている細かい花はとても綺麗な風景ではあります。