シラヒゲソウ (ニシキギ科ウメバチソウ属)【白髭草】
(Parnassia foliosa var. foliosa)
「白髭」の名から、サンタクロースのような「ひげじい」を連想してしまいますが、高原に咲く繊細で可憐な花です。
茎の先端に一輪だけ咲かせた純白の花弁の縁が、糸のように細かく深く切れ込んで、精巧なレース細工または雪の結晶のようです。
花の構造は同属の「ウメバチソウ」とよく似ていて、仮雄蕊が3裂して先端に小さな黄色い球状の腺体をつけます。
5本の雄蕊には灰色の葯がつき、花弁の付け根に折りたたまれていますが、開花が進むとともに花弁の半分ほどの長さにまで伸びます。
茎葉は花茎に数枚互生して生え、葉柄はなく、円形で基部は茎を抱きます。
本州中部と西部の太平洋側、四国、九州に分布し、山地や高原の湿地や沢沿いに生育します。
北陸など日本海側には変種で大型の「オオシラヒゲソウ」が分布します。
長野県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
その他、20以上の都道府県で絶滅危惧指定。