オシャグジデンダ (シダ植物ウラボシ科エゾデンダ属)【御社貢連朶】
(Polypodium fauriei)
深山の苔むしたような樹幹や岩上に着生する冬緑性のシダです。
葉身は広披針形の単葉で深裂し、「アオネカズラ」にちょっと似ています。
葉の表面は無毛で、裏面にはまばらに長毛が生え、裂片にはごく浅い鋸歯があり15~25対となります。
ソーラスは丸く、辺縁と中肋の中間につきます。
空中湿度の高い日陰に生え、乾燥すると葉が表面に巻き上がります。
山梨県:準絶滅危惧(NT)
オシャグジ(御社貢)という奇妙な名前は、明治時代に木曽地方の社貢寺で発見されたことによるという説明が多いようです。
しかし、実際は信州を中心とする古い民俗信仰の「オシャグジ様(ミシャグジ)」からきているということのようです。
この御左口神(ミシャグジ)の信仰の源流は古く、諏訪神社の古い歴史とそれを支えた守矢氏、さらには遠く縄文人の信仰にまで遡るような壮大な話です。