コブシ (モクレン科モクレン属)【辛夷】
(Magnolia kobus)
まだ肌寒い春のころに毛深い花芽をつけ、急に陽気が暖かく春めいた数日にいきなり一気に咲きだす印象があります。
「モクレン」の仲間の中でも早めに咲きだし葉の展開よりも先に満開となるのでたいへん目立つ花です。
外花被片3枚と内花皮片3枚からなる計6枚の花びらが大きく開いてばらばらの向きに咲きます。
花の外側に小さな萼片が3枚あり、基部に小型の1枚の葉がつくのが特徴ですが、個体により無いものや2枚出るものもあるようです。
この葉の有無が、良く似た「タムシバ」との見分けになります。
また、「ハクモクレン」はこの葉が無く、花が9弁で上向きに閉じ気味に咲きます。
花の中央には淡黄色の雄しべが集まり、中心には薄緑色の雌しべがあります。
秋にできる果実は、ちょっと不気味な外観のごつごつした集合体で、この形がコブシ(拳)の語源とも言われています。
日本特産で、北海道から本州・四国・九州北部まで分布します。
花の直下に小さな葉が一枚