ヤマシャクヤク (ボタン科ボタン属)【山芍薬】
(Paeonia japonica)
野生自生のヤマシャクヤクの、最高の状態の花を見ることができました。
やや薄暗い杉林の林下にしっかりと枝を張って、乏しいであろう光を受け止めています。
こんな豪華絢爛な花が、山中の林の中に人知れず咲いているなんて奇跡的です。
およそ混じりっ気の無い純白の花弁に、太い雌しべとオレンジ色の葯の対比が映えます。
「立てば芍薬」と言われるほどの、このような美人さんでは、盗掘にあう可能性もかなり高いと思われます。
環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)
東京都では絶滅危惧IA類とされています。
日本在来種のボタン科の花は、これと「ベニバナヤマシャクヤク」の2種のみです。
「ベニバナヤマシャクヤク」は赤花ですが、単に色違いや品種ではなく別種になるようです。
「ヤマシャクヤク」の果実。
花の可憐さと比べるとちょっと奇っ怪な感じもしますね。
これが完熟すると、クサギとかゴンズイのような赤黒に弾けた状態となります。
そして、真っ黒い硬い種をあちこちに落とします。
花が終わると、特徴的な1-4本の雌しべが太り実になってゆきます。