カイコバイモ (ユリ科バイモ属)【甲斐小貝母】
(Fritillaria kaiensis)
甲斐の名の通り、山梨県静岡県の低山落葉樹林下に稀に咲くコバイモです。
ところが八王子市の都市部の自然公園内に自生地があり、これが本当に自生か植栽かが謎となっています。
1960年台に植物学者による調査がされており、東京都のレッドデータブックにも「南多摩のごく限られた丘陵地脚部の林縁に生育」と公に書かれています。
ということは自生と思われますが、江戸時代など古い昔に持ち込まれた可能性も否定できません。
まあ、過去の国内帰化であっても現在自生していることは事実なので天然と思うことにしましょう。
コバイモ類は草姿が独特で、10-20cmほどの1本立ちの茎に一対の対生の葉をつけ、上端に3枚の葉を輪生につけて、その付け根から1輪の花が出ます。
花のつきかたとしては「チゴユリ」に似ています。
葉は何の変哲もない細長いもので、笹の中に紛れて見つけにくいですが、生える場所によっては赤い色素の多いいわゆる「カラス葉」も多いようです。
花は基本色としてはくすんだ白ですが、バイモ類らしく「バイモ」のような網目模様が薄く浮き出ます。
環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)
東京都:絶滅危惧IA類