イチョウ (裸子植物イチョウ科イチョウ属)【銀杏】
(学名:Ginkgo biloba)
日本中、どこにでもあり、街中でも毎日のように目にする樹木なので普段感じることも考えることもありませんが、じつはイチョウはたいへんレアな植物です。
原産地は中国で、日本に生育しているのは全て園芸植物としてであり、日本に導入されたのはおそらく室町時代ごろと考えられているそうです。
こんなに秋の風物詩となっている著名な植物が百人一首などの和歌に出てこないのは不思議な話ですが、そもそも万葉や平安の時代には存在しなかったというわけです。
そして中国産ながら、何と確かな原産地自生地は不明とのことです。
分類学的にも実は謎な植物で、裸子植物門イチョウ綱イチョウ目に属するとされますが、見ようによっては独立した「イチョウ植物門」という見方もあるようです。
それほど特殊な植物であり、約1億数千年前の中生代に繁栄していた仲間が全て絶滅したあとに現代まで残ったただ一種です。
したがって「生きている化石」という呼び名もあるくらいです。
すなわち、一門一綱一目一属一種で原産地不詳という超レアな植物で、実際、国際的にはレッドリストの絶滅危惧IB類とされています。
そんな元来なら超希少な樹木ながら、日本の街路樹の中で一番多く、約57万本が植えられているそうです。
小石川植物園にある、「精子発見の大イチョウ」は、明治29年に世界に先駆けてイチョウに精子が存在することを発見した、植物学の記念碑的存在です。
樹齢は約300年と推定され、幹回り4.9mの大木です。
雑司ヶ谷鬼子母神の大イチョウ
東京都指定天然記念物
幹周8m、樹高30m、樹齢推定600年以上。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】