トチノキ (ムクロジ科トチノキ属)【栃の木】
(Aesculus turbinata)
山地の沢沿いや湿気の多いところに生育して大木になる樹木です。
「ホオノキ」に似た掌状の大きな葉をつけますが、全縁のホオノキと違い丸っこい鋸歯があり葉脈がくっきりしています。
初夏には木の上に穂状に立ち上がる白っぽい花が咲きます。
個々の花は小さいですが花穂がたくさん立ち上がるので、遠目にも目立つ姿です。
この花はミツバチの重要な蜜源となるそうです。
初秋には実が生り、クマなどの食料となるとともに古くから栃餅など人間の食料にもなってきました。
パリなどで有名なヨーロッパの「マロニエ」は同属の「セイヨウトチノキ」で、園芸種の「ベニバナトチノキ」はマロニエと米国のアカバナトチノキから作られています。
昔、登山でキャンプをしたときに樹林のキャンプ地に栃の実がたくさん落ちていたので、試しにコッフェルで茹でてみたことがあります。
茹で上がった実を割ると、まるで甘栗のような見た目と甘ーい香りがしたので、食べて見ると舌が曲がるほど渋くてとても食べられるものではありませんでした。
後に調べてみると、栃餅作りでは「アク抜き」にとてつもない手間をかける必要があり、餅として搗くまでに半月ぐらいかかるようです。
山梨市の山中にある、トチノキの巨木「姥の栃」。
樹高28m、幹囲7.7mという巨樹で、推定樹齢は200年~300年ということです。
ここの車道造成工事で発見され、道路の設計を変更して保護されたようです。
ゆるい沢地形のところに生えていて、根方から清水が湧いています。
三頭山の「都民の森」で最大とされるトチの巨樹。
幹周り6.9m。
こちらも三頭山の巨樹
幹囲6.7mとなっています。