ヒカリゴケ (蘚類ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属)【光苔】
(Schistostega pennata)
「暗闇で光るコケ」として一般に有名ですが、自ずから発光する生物ではなく、薄暗い場所で外光を反射して光るだけので本当の暗闇では光りません。
1科1属1種の特異な、小さく原始的なコケ植物です。
本州中部以北の亜高山帯や北海道に分布し、冷涼な場所の湿った岩陰や洞口、大木や倒木の洞などに生育します。
乾燥や大気汚染に弱く、小規模な生育地はあちこちにあるものの、たいへん脆い存在です。
胞子から発芽したあとの原糸体がもつ球形のレンズ状細胞が僅かな光でもよく反射し、たくさん持っている葉緑体の色が反映して黄緑色に光ります。
環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)