ドクツルタケ (担子菌類テングタケ科)【毒鶴茸】
(Amanita virosa)
毒キノコです。
しかも、日本の毒キノコの中でもトップクラスの、極めて致命的な猛毒をもつ種類です。
広葉樹や針葉樹の湿った林下に発生し、薄暗い林の下でもよく目立つほぼ純白で中型のキノコで、わりあい普通に見られます。
軸の表面がササクレ立ち、ツバとツボを備えています。
「タマゴテングタケ」などと並んで致死率の高いことで知られ、欧米の類似種は「殺しの天使」「破壊の天使」などと呼ばれています。
食したときの中毒症状はコレラに似て、数時間以内に腹痛、下痢、嘔吐を起こしますが、恐ろしいのはこれが1日程度で治まり、その後数日たってから本格症状が始まる点です。
偽の回復期を過ぎると内臓の細胞が破壊され、今度は消化器からの大量出血や黄疸、肝臓、腎臓などの機能障害症状が現れ、多臓器不全で死に至る場合があり、命が助かっても脳障害などの後遺症が続くことが多いといわれます。
含まれる有毒物質の量も多く、1本で成人が死亡するほどの毒性とされています。
白い傘の中心は黄色みを帯びることも多いようですが、黄色や淡赤色に染まるものは「アケボノドクツルタケ」と呼ばれ別種とすることもあるようです。
また、まだ未分類の類似種も数種混じっているという説もあり、いずれにしてもこれに類似した白いキノコは絶対に食してはいけないようです。