バイカアマチャ (アジサイ科バイカアマチャ属) 【梅花甘茶】
(Hydrangea platyarguta)
「アマチャ」の名前が付いているものの、「ガクアジサイ」の変種の「アマチャ」とは全く異なる、一属一種の妙な植物です。
アジサイの仲間らしく、両性花と装飾花があるのですが、それぞれ別々につきます。
両性花は4裂する白色の花弁の花を単独で咲かせ、100本程度の多数の雄蕊と2個の花柱をもちます。
装飾花は両性花の花茎から枝分かれした1-2本の花柄の先につき、合着した萼片が襟巻きのように皿状になり、中心に不稔の花があります。
観察時の装飾花は緑色で小さく目立たなかったので虫集めの役には立たなそうに見えますが、これはこれからかなり大きな皿状になり白くなるようです。
両性花と装飾花がばらばらに散漫に配置されている様子は、何となくアジサイの花に進化して行く原型のような感じもします。
静岡県・奈良県・三重県・和歌山県・中国地方などの本州太平洋側と、四国、九州に分布し、いわゆる襲速紀(ソハヤキ)要素の植物とされています。