ヨシ (イネ科ヨシ属)【葦、芦、蘆】
(Phragmites australis) アシ
全国各地の河岸や湖岸、湿地などに最も普通に生育する草で、地下茎で増え大群落をつくります。
古来より人の暮らしに密着して身近に存在するので、茅葺屋根や葦簀、小道具の材料などに使われてきました。
もともとの呼び名は「アシ」が本来だったのが、「悪し」に通じるため平安時代以降には「ヨシ」と言い換えられたそうです。
成長力が強く、高さ3-4mにまで伸びるため膨大な草むらとなり、「ヨシキリ」や「オオジュリン」など多くの鳥や動物の住みかとなります。
また、塩分にも強いので河口の汽水域や干潟などでも生育しアレロパシー作用ももつため大群落となります。
夏から秋にかけて茎の頂から紫がかった黄褐色の穂を出します。
「豊葦原瑞穂国」というくらいで、日本の原風景を代表する植物のひとつでもあります。
同様の環境で「オギ」と同居している場合もよくあります。