ヤチヤナギ (ヤマモモ科ヤチヤナギ属) 【谷地柳】
(Myrica gale var. tomentosa)
北方の寒冷地湿原や泥炭地に生える雌雄異株の小さな樹木で、日本では三重県以北と北海道に分布します。
ヤナギの名がついていますがヤナギの仲間ではなくヤマモモ科です。
春の雪解け時期にすぐ、葉のない枯れ枝のような枝に小さな松かさのような目立たない花をつけます。
葉が出るころには花は終って実になり、夏の終わりに果実となります。
果実には独特の芳香があるということで、ヨーロッパでは古くから一種のハーブとして使われていたようです。
スコットランドや北欧の泥炭地にも多く、ホップの代わりの香料としてビールの材料にされていたようです。
不安定で貧栄養のミズゴケや泥炭の中に、横に根を伸ばし、菌根菌を共生させることで養分を得ているそうです。