タカネキンポウゲ (キンポウゲ科キンポウゲ属)【高嶺金鳳花】
(Ranunculus altaicus subsp. shinanoalpinus)
キンポウゲ属の花は地域特産種的なものが意外と多数あるのですが、これもそのひとつで白馬岳固有種です。
一般登山で出会うことはほとんど無い希少種のためか、一般的なガイド図鑑には登場しない種類です。
高山帯に遅くまで残った雪田が消えたあとの岩礫地に現われるので一般登山道沿いには見られず、野生の花期は残雪の消える8-9月の夏の終わりになるようです。
花は立ち上がった茎の先に一つつき、丸い萼片の外側に黒い毛が生えるのが特徴的です。
黄色い花弁は5弁で、色が抜けたような白斑が少し入るようです。
丸い根生葉には浅い切れ込みがあり、茎葉は3-5裂に細長く切れ込んでいます。
母種の「Ranunculus altaicus」は、シベリアや沿海州、モンゴルなどに周北極的に広く分布するので、これは極めて僅かに生き残った氷河期遺存植物なのでしょう。
環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)
富山県:絶滅危惧Ⅰ類
白馬五竜高山植物園では、環境省の白馬岳現地調査時に採取された種子を栽培し、生育・開花に成功しを行い生息域外保全を行っています。
増やした株を一般公開しているので見ることができます。