北海道を代表する標高2,000 m級の広大な山系で高山植物の宝庫。
高緯度のため気象条件は日本アルプスの3,000m級の山々に準じ、温帯・寒帯の要素を兼ね備え、永久凍土や多くの氷河地形が残ることから植物の種類も豊富で固有種も多い。

キタヨツバシオガマ
キタヨツバシオガマ (ハマウツボ科シオガマギク属)(旧ゴマノハグサ科)【北四葉塩竈】 (Pediculasis chamissonis var. hokkaidoensis) 別名:ハッコウダシオガマ 「ヨツバシオガマ」は従来ひとつの種類と...

エゾシマリス
エゾシマリス (リス科)【蝦夷縞栗鼠】 (学名 Tamias sibiricus lineatus) 大雪山黒岳の山頂で、ガスのかかった岩礫地になにやら小動物が飛び出してきた。 周りに居合わせた登山者が騒ぎ出す。 一匹のシマリスが山頂広場の...

エゾハハコヨモギ
エゾハハコヨモギ (キク科ヨモギ属)【蝦夷母子蓬】 (Artemisia trifurcata var. pedunculosa) 大雪山固有種の高山植物で、全体に白い毛が毛深く、独特の色と質感で葉が目立ちます。 「ハハコグサ」のような花を...

ヒロハシラネニンジン
ヒロハシラネニンジン (セリ科シラネニンジン属)【広葉白根人参】 (Tilingia ajanensis f. latisecta) 普通の「シラネニンジン」は、名前の元となったニンジンに似た切れ込んだ葉ですが、これには変異が多く、特に幅広...

シラネニンジン
シラネニンジン (セリ科シラネニンジン属)【白根人参】 (Tilingia ajanensis) 中部以北~北海道の高山~亜高山に生える普通種ですが、変異が多く、またセリ科には似た花がたいへん多いので区分には苦労します。 葉の切れ込みが中程...

ミヤマハタザオ
ミヤマハタザオ (アブラナ科シロイヌナズナ属)【深山旗竿】 (Arabidopsis kamchatica subsp. kamchatica) 本州中部から北海道と一部関西の山地に分布し、低山から高山帯まで分布します。 「ヤマハタザオ」な...

チシマアザミ
チシマアザミ (キク科アザミ属)【千島薊】 (Cirsium kamtschaticum) 学名につけられているように、基準産地はカムチャツカ半島で、北海道ほぼ全域の山地に分布します。 平地から高山帯近くまで、日当たりのよいところに生え大き...

ミヤマサワアザミ
ミヤマサワアザミ (キク科アザミ属)【深山沢薊】 (学名: Cirsium kamtschaticum ssp. alpinum) 別名:エゾノミヤマアザミ 北海道の高山帯の湿地に生えるアザミで、大雪山系と知床山系に生え花茎上に1-3輪の花...

コガネイチゴ
コガネイチゴ(バラ科キイチゴ属)【黄金苺】 (Rubus pedatus) 中部以北から北海道に分布する、亜高山~高山性のキイチゴです。 せいぜい10cmほどの低い丈にしかなりませんが低木です。 5枚葉に見える葉は、よく見ると実は3小葉で、...

ハイオトギリ
ハイオトギリ (オトギリソウ科オトギリソウ属)【這弟切】 (Hypericum kamtschaticum) 北海道の亜高山帯~高山帯に咲くオトギリソウです。 本州高山の「イワオトギリ」や「シナノオトギリ」の母種とされています。 イワオトギ...

カラフトイソツツジ
カラフトイソツツジ (ツツジ科イソツツジ属)【樺太磯躑躅】 (Ledum palustre subsp. diversipilosum var. diversipilosum) 別名:エゾイソツツジ 北海道南部や東北地方に分布する小低木「イ...

イワウメ
イワウメ (イワウメ科イワウメ属)【岩梅】 (Diapensia lapponica var. obovata) 高山帯の岩の間や岩礫地の間を、細かい楕円の葉でびっしりと埋めるように生えています。 本州中部以北と北海道の分布で、細かいながら...

イワヒゲ
イワヒゲ (ツツジ科イワヒゲ属)【岩髭】 (Cassiope lycopodioides) 釣り鐘型の花をつけるツツジ科の高山植物はいろいろありますが、これはまるで苔類のようなひも状の葉をもつ異端児です。 細いひも状の葉は鱗片状に重なり合い...

チシマツガザクラ
チシマツガザクラ (ツツジ科チシマツガザクラ属)【千島栂桜】 (学名:Bryanthus gmelinii) 国内では北海道の高山帯と早池峰山だけに分布する高山植物で、他の「ツガザクラ」の仲間とは花が全く違う4弁花を咲かせます。 ツガザクラ...

コエゾツガザクラ
コエゾツガザクラ (ツツジ科ツガザクラ属)【小蝦夷栂桜】 (Phyllodoce aleutica x P. caerulea)(Phyllodoce caerulea var. yezoensis) 「エゾノツガザクラ」と「アオノツガザク...

エゾシロチョウ
エゾシロチョウ (シロチョウ科) (Aporia crataegi) 大雪山黒岳への山腹にて。 「スジグロシロチョウ」に似ているが、白色に黄色みが全くなく、条がくっきりしている。 日本では北海道だけに分布するが、現地ではごく普通種。 食草は...

アオノツガザクラ
アオノツガザクラ (ツツジ科ツガザクラ属)【青の栂桜】 (Phyllodoce aleutica) ハイマツ帯や岩礫地などの高山帯に生える「ツガザクラ」の仲間で、花がうす緑なので「青の」と呼ばれています。 どれも草ではなくたいへん小さな低木...

エゾノツガザクラ
エゾノツガザクラ (ツツジ科ツガザクラ属)【蝦夷の栂桜】 (Phyllodoce caerulea) 北海道~東北地方以北の高山帯の岩場や草地に分布します。 大雪山では、とても鮮やかな発色の花が一面のじゅうたんのように群生する光景が見られま...

タカネトウウチソウ
タカネトウウチソウ (バラ科ワレモコウ属)【高嶺唐打草】 (Sanguisorba canadensis subsp. latifolia) 「シライトソウ」や「サラシナショウマ」に遠目にちょっと似ていますが、それらは全くの別科で、これはバ...

ヒロバヒメイチゲ
ヒロバヒメイチゲ (キンポウゲ科イチリンソウ属)【広葉姫一華】 (Anemone soyensis) 別名:エゾイチゲ 北海道特産で「ヒメイチゲ」によく似るが、3出複葉の葉がかなり幅広。 花弁にあたる萼片は変動はありますが普通6枚となってい...

オオカサモチ
オオカサモチ (セリ科オオカサモチ)【大傘持】 (学名:Pleurospermum uralense ) 別名:オニカサモチ 「シシウド」的な植物ですが、全体にひとかたまりにまとまっていて、葉の切れ込みが細かいです。 背もそれほど高くなく、...

ヒメイワタデ
ヒメイワタデ (タデ科オンタデ属)【姫岩蓼】 (学名:Aconogonon ajanense) 「オンタデ」の仲間ですが、葉が細く低く這う感じなので、全然印象が違います。 細長い葉はちょっとよれた感じで、表面もしわしわした感じに見えます。 ...

エゾノヨツバムグラ
エゾノヨツバムグラ (アカネ科ヤエムグラ属)【蝦夷の四葉葎】 (学名:Galium kamtschaticum) 「オオバノヨツバムグラ」に似ていますが、全体に小さく、葉が丸く、花序がまばらで白い花をつけます。 エゾといっても北海道限定では...

ミヤマアカバナ
ミヤマアカバナ (アカバナ科アカバナ属)【深山赤花】 (Epilobium hornemannii) 湿原に咲く「アカバナ」の高山型で、本州中部から北海道の山岳地に分布します。 亜高山の林縁から高山の礫地まで生えますが、やはり湿気のあるとこ...

エゾノイワハタザオ
エゾノイワハタザオ (アブラナ科ハタザオ属)【蝦夷岩旗竿】 (学名:Arabis serrata var. glauca) 登山道わきに地味に咲いている花で、いかにもアブラナ科というところはすぐ判りますが、細かい種類の見分けが難しい。 ゆっ...

エゾノハクサンイチゲ
エゾノハクサンイチゲ (キンポウゲ科イチリンソウ属)【蝦夷白山一花】 (Anemone narcissiflora var. sachalinensis) 内地の「ハクサンイチゲ」と同様ですが、全体に大柄な感じです。 ハクサンイチゲに比べ、...

ウスユキトウヒレン
ウスユキトウヒレン (キク科トウヒレン属)【薄雪唐飛廉】 (Saussurea yanagisawae) 尾根上の風衝砂礫地に生え、蕾の状態だと何だか不気味な植物に見えますが、花が咲ききったらきっと綺麗でしょう。 トウヒレンはアザミに近い仲...

ダイセツトリカブト
ダイセツトリカブト (キンポウゲ科)【大雪鳥兜】 (学名: Aconitum yamazakii) 大雪山特産種で、葉が深く切れ込んで細く尖り、「ホソバトリカブト」とよく似ています。 花の紫色がとても濃く、ちょっと黒っぽい感じです。 環境省...

ミネズオウ
ミネズオウ (ツツジ科ミネズオウ属)【峰蘇芳】 (Loiseleuria procumbens) 高山に多いツツジ科の矮性低木類の中でも異彩を放つ花ですが、1属1種となっています。 本州中部以北の高山で見られますが、本州のものは白っぽい花が...

エゾイワツメクサ
エゾイワツメクサ (ナデシコ科ハコベ属)【蝦夷岩爪草】 (学名:Stellaria pterosperma) 北海道の、それも大雪山特産の高山植物です。 内地の普通の「イワツメクサ」によく似ていますが、花がやや大きめで、葉もやや幅広でたくま...

ミヤマオダマキ
ミヤマオダマキ (キンポウゲ科オダマキ属)【深山苧環】 (Aquilegia flabellata var. pumila) 「ヤマオダマキ」の高山種で、たいへん鮮やかな紫色になり、園芸用のオダマキの原種となっています。 本州中部以北の亜高...

ホソバイワベンケイ
ホソバイワベンケイ (ベンケイソウ科イワベンケイ属)【細葉岩弁慶】 (学名:Rhodiola ishidae) 別名:アオノイワベンケイ 北海道から東北地方に分布する高山型のベンケイソウ。 普通の「イワベンケイ」よりも細長い葉なので「ホソバ...

ウコンウツギ
ウコンウツギ (スイカズラ科ウコンウツギ属)【鬱金空木】 (学名:Macrodiervilla middendorffiana) 東北北部から北海道の亜高山に分布する低木です。 大雪山では稜線下の山腹に大群落をつくり、うす黄色の花を多数つけ...

タカネスイバ
タカネスイバ (タデ科ギシギシ属)【高嶺酸葉】 (学名:Rumex montanus) 「スイバ」や「ギシギシ」の高山型で、本州中部以北の山岳と北海道に分布します。 いわゆる「スカンポ」の仲間で、雌雄異株のようです。 「オンタデ」などと比べ...

エゾヒメクワガタ
エゾヒメクワガタ (APG:オオバコ科クワガタソウ属)(ゴマノハグサ科)【蝦夷姫鍬形】 (学名:Veronica stelleri var. longistyla) 北海道限定の高山植物で、小さいがとても綺麗な花です。 クワガタソウらしい2...

クロユリ
クロユリ(エゾクロユリ) (ユリ科バイモ属)【黒百合】 (Fritillaria camtschatcensis) 別称:エゾクロユリ 有名なクロユリはもちろん本当の黒ではなく、濃い赤褐色ですが、この「エゾクロユリ」は光の加減によってはかな...

トカチフウロ
トカチフウロ (フウロソウ科フウロソウ属)【十勝風露】 (Geranium erianthum f. pallescens) 「ゲンノショウコ」に似た形で大型の、如何にもフウロウソウ科という花ですが、実に微妙な白に近いうす紫色です。 これは...

チシマノキンバイソウ
チシマノキンバイソウ (キンポウゲ科キンバイソウ属)【千島の金梅草】 (学名:Trollius riederianus) 別名:キタキンバイソウ 高山植物でおなじみの「シナノキンバイ」と同属の北海道版です。 とはいえ、北海道にもシナノキンバ...

オオタカネバラ
オオタカネバラ (バラ科バラ属)【大高嶺薔薇】 (学名:Rosa acicularis) 別名:オオタカネイバラ 「タカネバラ」の近縁種でよく似ていますが、タカネバラと分布域を分け、それ以北と北海道に生えます。 亜高山の林縁に見られ、緑の林...

メアカンキンバイ
メアカンキンバイ (バラ科タテヤマキンバイ属)【雌阿寒金梅】 (学名:Sibbaldia miyabei) 北海道・千島列島固有の高山植物で、大雪山では岩礫の草地や風衝地に生えています。 キジムシロ類に似ていますが、葉が3出3裂のつやのない...