ソテツ (裸子植物ソテツ目ソテツ科ソテツ属)【蘇鉄】
(Cycas revoluta)
南洋的雰囲気を醸し出す植栽によく使われるのと樹形が似ているので、「シュロ」など「ヤシ」の仲間のような感じを受けますが、根本的に異質な植物です。
裸子植物で「イチョウ」に近い仲間ということになりますが、かなり特殊な一群です。
中生代ごろから連綿と続く植物なので「生きている化石」ともいわれるようです。
日本国内に自生するソテツ類は、この「ソテツ」一種のみで、九州南部以南や琉球に分布し、宮崎県あたりが北限のようです。
太く短い幹の上に多数の葉を螺旋状に生やす独特の樹形で、「シュロ」や「ヤシ」や「木性シダ」などに似ていますが、それらとは全く無縁です。
雌雄異株で、「イチョウ」と同様に、花粉から放出した精子で受精するシステムをとっています。
雌株には、4cmぐらいの赤い大きな種子が果実のように生ります。
種子にはデンプンを多く含むので昔から救荒食など食用にされますが、死亡するほどの有毒なのでかなりの手間をかけて毒抜きをしなければなりません。
「サンゴ状根」という特殊な根をもち、その中に藍藻類が共生し窒素固定を行って栄養源とするため、海岸の石灰岩地のような不毛な乾燥地にも生育できます。