ホロムイソウ (ホロムイソウ科ホロムイソウ属)【幌向草】
(Scheuchzeria palustris)
世界に1科1属1種という、きわめて特殊な北方系の植物で、日本では北海道・東北地方に分布し、中部地方にも隔離分布します。
寒冷地の湿原のごく浅い水中から生え、半円柱形の細長い葉を出します。
高層湿原のミズゴケの中を根茎が這い、そこから生えてくるようです。
花は一見不可解な構造ですが、淡緑色の6枚の花被片をもち、3個の茶色い雌蕊(子房?)、6個の雄蕊があります。
雄性先熟ということで、雄性期には6本の長い葯が周囲に突き出し、その後雌しべの柱頭が出てくるようです。
何と京都の郊外にもピンポイントで生育地があり、これは世界の分布南限だそうです。
氷河期遺存植物のようで、東京の石神井公園に「ミツガシワ」が自生しているのと同じような感じでしょうか。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】