シロウマアサツキ (ヒガンバナ科ネギ属)【白馬浅葱】
(Allium schoenoprasum var. orientale)
野菜として使われる「アサツキ」の変種で、アサツキと同様の球形の花序をつけます。
花の雄しべが花被片と同長かやや長くなり、半分ほどのアサツキと区別できます。
同属の「ヤマラッキョウ」にも似ますが、花茎が短いので花序が密になっています。
本州中部以北から北海道の分布とされ、名前の通り白馬周辺の高山植物として有名です。
白馬大雪渓の葱平(ねぶかっぴら)は、これの群生が見られることからついた地名です。
ところが近年、高山植物と思われていた本種が、京都北部の丹後半島や隠岐諸島、さらには対馬でも確認されていて何とも不思議な隔離分布となっているようです。
いわゆる高山植物らしき生育地としては、本州では白馬岳周辺の他、飯豊連峰、朝日連峰、白神山地などとされています。
一方、京都府北部、兵庫県北部、島根半島、隠岐諸島、対馬と、日本海側の海岸近くに沿って点々と確認されています。
これらは、従来「アサツキ」とされていたものを再確認したら実は「シロウマアサツキ」だったということなのですが、素人考えとしてはどうも似て非なる低地性の別個体群なのではないかという感じがしてしまいます。
長野県をはじめ、東北各地で絶滅危惧指定。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】