イヌタヌキモ (タヌキモ科タヌキモ属)
(Utricularia australis)
全国の池や用水路などに生育する水草で、水中に捕虫嚢をもち、微細なプランクトンなどを捕食する食虫植物です。
夏には水上に花茎を突き出し、黄色い小さな花を咲かせます。
水中の捕虫嚢は半円形の平たい袋で普段は内部に水はなく入り口が閉じています。
微生物が入り口の触毛に触れると蓋が開いて水ごと吸い込む仕掛けのようです。
水の流れがあまりない貧栄養な微妙な環境に適応しているようで、全国各地で絶滅危惧となっています。
環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)
牧野富太郎博士が日本で初めて発見し詳細な研究をした「ムジナモ」と、よく似た名前の食虫植物ですが別科で全く別の植物です。
ちなみに、種類が多く分類が混乱しているタヌキモ属ですが、元祖「タヌキモ」というのは、実は「イヌタヌキモ」と「オオタヌキモ」の雑種であることが最近DNA分析で判明したようです。
今後、分類や学名が変わってくるかもしれません。
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