フトヒルムシロ (ヒルムシロ科ヒルムシロ属)【蛭筵】
(Potamogeton fryeri)
ヒルムシロ属には類似種が多く、水中の沈生葉などを調べないと同定が難しいものも多いようですが、このフトヒルムシロは酸性の水質でのみ生育する特殊な性質をもつので、平地の普通の沼などには生えません。
多くは腐食質、泥炭質などの山地の湿原の池塘や火山の酸性水が入る沼などに生育します。
水面に出る浮葉は「ヒルムシロ」よりかなり大きめの楕円形で薄地で波打っています。
春から夏に水面から花穂を突き出し、花期が終わると花序は横倒しになります。
写真の沼は湿原ではない林内の池ですが、強酸性の温泉水が流れる地帯の沼なので酸性であることは間違いないと思われます。