タガソデソウ (ナデシコ科ミミナグサ属)【誰袖草】
(Cerastium pauciflorum var. amurense)
独特の半透明な花弁に白い筋が入り、とても幽玄・清楚な雰囲気をもつ花です。
山梨県・長野県・岐阜県など本州中部の山地にやや稀に分布し、樹林内の草地に生育します。
細い茎の先が分岐しながら数個の5弁花をつけ、日本のミミナグサ属のなかで最大の花となっています。
葉は茎の下の方に対生でつき毛が生え、花柄や萼片にも腺毛が生えています。
他のミミナグサ類とは全く違う感じの独特な花で、なんとも優雅な姿に思わせぶりな雅な名前が似合っています。
「古今和歌集」の中にある「色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖ふれし宿の梅ぞも(読人知らず)」という歌に由来する名とされますが、実際には真偽のほどは不明なようです。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
山梨県:絶滅危惧種ⅠA類(CR)
長野県:準絶滅危惧(NT)
岐阜県:絶滅危惧Ⅰ類
局所的な分布であり、分布域内でも何処にでも有るという花ではないのでちょっと憧れの花でしたが、初夏の上高地ではバスターミナルの脇から普通に数多く見られました。
【タガソデソウ】-山中に佇む幽玄清楚な花-(誰袖草) 山川草木図譜チャンネル
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