マルバフジバカマ (キク科アゲラティナ属)【丸葉藤袴】
(Ageratina altissima)
以前、箱根の国道1号線・裏街道を車で登っていったところ、たまたま工事渋滞に捕まってしまい、塔ノ沢あたりからずっとノロノロ運転が続きました。
動いたり止まったりが続き、普段ならスピードを出して通過する道端をずっと眺めながら進んでいました。
塔ノ沢-大平台-宮ノ下と続く、山側が崖の法面になっているところに、ホトトギスがあちこち生えていて、こんなにあるものなんだと感心していました。
そのあたりの路側に白い花が点々とたくさん続いていて、何だか判らないままに通り抜けてしましましたが、仙石原でまだ咲いているのがあり撮影しておきました。
後で調べても全く判らず、どうも道端だけに多くて図鑑に出てこないのは帰化植物ではないかと探し、ようやく分かりました。
「マルバフジバカマ」北アメリカ東部原産の帰化植物です。
なんと、この植物、箱根の強羅が発祥の地だそうです。
1896年(明治29年)に小石川植物園に移入され、1916年(大正5年)観賞用に強羅公園に植えられていたもので、これが公園外に逸出、強羅のまわりに広がっていったそうです。
現在は箱根を中心に関東各地から一部東北、近畿まで広がっているようです。
既存の植生の中にも日陰の林内にも繁殖でき、有毒性があるため今後要注意が必要なようです。
「ヒヨドリバナ」に近い仲間なのでよく似ていますが、個々の花が「ヒヨドリバナ」や「フジバカマ」よりごちゃごちゃせずはっきりしていて、5弁の筒状花の集合体であることがよく見えます。