アゴー C1
1915年 ドイツ
単発・複座偵察機
全長:9.0m、全幅:15.0m、全備重量:
エンジン:メルセデスD.III 160hp、武装:7.92mm機銃x1
最高速度:140km/h
この時期に多かったポッド推進式の機体だが、合板で流線型につくられたツインブームが特徴的。
車輪は4輪式で、偵察員はポッドの先頭に乗り機銃手も兼ねている。
スイスのアウグスト・ヘフェリによる設計で、ほぼ同様の機体がハフェリDH-1としてスイスで作られている。
AGO CI Germany
アゴー C1
1915年 ドイツ
単発・複座偵察機
全長:9.0m、全幅:15.0m、全備重量:
エンジン:メルセデスD.III 160hp、武装:7.92mm機銃x1
最高速度:140km/h
この時期に多かったポッド推進式の機体だが、合板で流線型につくられたツインブームが特徴的。
車輪は4輪式で、偵察員はポッドの先頭に乗り機銃手も兼ねている。
スイスのアウグスト・ヘフェリによる設計で、ほぼ同様の機体がハフェリDH-1としてスイスで作られている。
AGO CI Germany
Short Type 184
ショート 184
1915年イギリス
単発・複座 偵察爆撃機。
全長:10.46 m、全幅13.41 m、全備重量:2,781 kg
エンジン:Sunbeam Gurkha 260 hp
武装: 7.7mm機銃x1、356mm魚雷または236kg爆弾
最高速度:142km/h
航空機からの魚雷攻撃に世界で初めて成功した水上爆撃機。
偵察、爆撃、雷撃と幅広く活躍し、陸軍でも陸上機型が使われ、通算900機以上が多くのメーカーにより生産された。
水上機母艦に搭載され、折りたたみ主翼のタイプも作られている。
Short Type 184
AD Scout
AD スカウト
1915年イギリス
単発・単座戦闘機。
全長:6.93m、全幅10.18m、全備重量:?
エンジン:Gnome ロータリーエンジン 100 hp、武装: 2ポンド デイビス無反動砲x1
最高速度:135km/h
ドイツ軍の飛行船撃破のために考えられた迎撃機で、40mm無反動砲を搭載するために英国航空局により企画された。
機銃さえプロペラ回転面に制限されるのに、2ポンド砲の射界を得るには当然推進式にするしかなく、なおかつ胴体ポッドが上翼に取り付けられた特異な形状である。
翼間も広く、結果として地上では異常に高い位置にコクピットがあり、しかも車輪のスパンも狭いので滑走中の安定性が非常に悪そうに見える。
ブラックバーンなど数社が製造担当し、イギリス海軍航空隊(RNA)が運用する予定だったようだが、当然こんな設計はうまく行かずすべて廃棄された。
そもそも、一人の乗員が敵飛行船に向けて敵の護衛機をかいくぐって操縦し、砲の装填と射撃を行うのは無理であろう。
一機だけの試作機。
Blackburn AD Scout
マン&グリマー M.1
1915年 イギリス
単発・複座偵察機。
全長:8.05m、全幅:10.59m、全備重量:1270kg
エンジン:Anzani 150hp
武装:ルイス機銃x1
最高速度:137km/h
戦闘機の前方射界を確保したいための試みは、いろいろなアイデアで行われてきたが、これもそのひとつ。
機首に搭載された星型空冷エンジンは普通だが、よく見るとプロペラが無い。
プロペラは主翼の直後の両側に推進式で置かれ、チェーン駆動で回すようになっている。
これによって、機首にはエンジンはあってもプロペラが無いので好きなように射撃ができるという寸法。
当然のことながらチェーンやギアやシャフトなどの伝達系のロスとメンテのややこしさは、様々な試行錯誤でもなかなか解決できず、試験飛行中のギアボックスの破損などで頓挫してしまったようだ。
フォッカーの同調機銃を恐れるあまりの苦し紛れに走った、Spad SA2と並ぶ怪作機といえよう。
Mann & Grimmer M.1
ローナー L
1915年オーストロ・ハンガリアン帝国
単発・複座戦闘機・偵察機。
全長:10.26m、全幅:16.20m、全備重量:1700kg
エンジン:Austro-Daimler AD6 160HP
武装:8mm機銃×1or2、爆弾200kg
最高速度:105km/h
前作のローナーEを改良して量産された戦闘飛行艇。
偵察から爆撃までマルチパーパスに使われ、ハンザ・ブランデンブルグやウファクなど多くの工場も含め100機近くが生産されている。
イタリアを空襲した際に被弾し鹵獲された機体をイタリアでコピーしたものが、後のマッキの飛行艇シリーズの原型となった。
Lohner L Austro-Hungarian Empire
フォッカー・E2
1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.2m、全幅:9.7m、全備重量:500kg
エンジン:Oberursel U1 101HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:140km/h
フォッカーE1のエンジンを強化して高速化すべくE2が作られ、エンジンの大型化に合わせて機体も大きくなったが、結果として思うような性能アップは果たせず、諸々の改良点を加えたE3へと変更されていったため過渡期の機体。
そのため生産数もあまり多くなく50機程度。
Fokker E.II Germany
ニューポール 12
1915年フランス
単発・複座戦闘偵察機。
全長:7.1m、全幅:9.0m、全備重量:875kg
エンジン:Clerget 9B 130HP、武装:7.7mm機関銃×2、
最高速度:145km/h
ニューポール10をパワーアップしてつくられた複座のモデル。
使い勝手の良い機種だったらしくかなりの数が生産され、英国でもベアードモアで製造されている。
写真偵察機としても活躍、終戦後も練習機として使用されていた。
Nieuport 12 France
ニューポール 11
1915年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.64m、全幅:7.52m、全備重量:480kg
エンジン:ル・ローン9C 80HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:156km/h
ニューポール10をより小型に純然たる単座機として開発され、小型だったことから「ベベ」(ベビー)という愛称をもっている。
下翼幅が上翼の半分しかない、いわゆる1葉半の典型的な機体で、軽快だが機体強度はやや弱かった。
まだこの段階ではプロペラ同調機銃がなかったので、上翼上に機銃を装備している。
だが、同時期のライバル、フォッカーE3あたりよりも機体性能は優っていたので後に同調機銃を搭載するとフォッカーを駆逐することとなる。
また、独軍の気球や飛行船を迎撃するロケット弾搭載部隊も有名である。
この機体スタイルを確立した名機のひとつとはいえるだろう。
ロシア、オランダ、スペインなどでライセンス生産され、ドイツ軍にもコピーされている。
Nieuport 11 FRANCE
ニューポール10
1915年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:7.0m、全幅:7.9m、全備重量:660kg
エンジン:ル・ローン 80HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:146km/h
フランスを代表するニューポールの初期モデル。
元来は複座偵察機として設計されたらしいが、実際には大部分が翼上ルイス機銃を備えて単座となった。
そのために後の11型(ベベ)よりかなり全長が長い。
だがこの段階ですでに一葉半に前傾V型支柱など後期に続く特徴を備えている。
エンジンはル・ローンの他、グノームを搭載しているものもある。
イタリア、ロシアでもライセンス生産されている。
Nieuport 10 FRANCE
スパッド SA2
1915年
単発・複座戦闘機
全長:7.85m、全幅:9.55m、全備重量:674kg
エンジン:Le Rhone 110HP、
最高速度:140km/h、武装:7.7mm機銃×1
写真をぱっと見ると、プロペラが見当たらないが、よく見ると機首と主翼の間に隙間があり、そこにプロペラがついている。
牽引式の性能と推進式の前方射界を両立させる苦肉の策として考えられた珍発明の機体。
パイロットは普通に主翼の後ろに席があり、プロペラ前のゴンドラ席に射手が乗り込む方式である。
このゴンドラは、現代のトラックのキャブオーバー席のように前方に倒せるようになっている。
こんな苦し紛れなことを考えざるを得ないほどに、フォッカーの前方同調式機銃は脅威だったのだろうか。
Spad SA2 France
ポニエ M1
1915年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.75m、全幅:6.18m、全備重量:464kg
エンジン:ル・ローヌ9C 80HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:167km/h
ニューポールの一葉半の主翼を同型複葉に置き換えたようなスタイル。
20機ほど生産されたが、大半はベルギーに供給されたという。
実際に使われた期間も短かったようで、あまり知られていない機種といえる。
Ponnier M1 France
ヴォアザン 5
1915年フランス
単発・複座軽爆撃・攻撃機。
全長:9.53m、全幅:14.75m、全備重量:1140kg
エンジン:Salmson 9 150HP、
武装:7.7mm機関銃×1、または37mm Canon×1
最高速度:105km/h
大戦開始前から存在する、いわば航空黎明期からの機体を実戦に投入したモデル。
いかにも旧式だが大戦初期には偵察・地上攻撃にかなり活躍した。
推進式で前方視界に優れている点を生かして、37mmの機関砲を備えたモデルも有名。
流石に戦闘機が発達した後期には前線から退いた。
まるで乳母車のような4輪式が特徴的。
Voisin 5 France
モラン・ソルニエ BB
1915年フランス
単発・複座偵察機。
全長:7.0m、全幅:8.65m、全備重量:750kg
エンジン:Le Rhone 80hp、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:147km/h
たいへん小ぶりな機体の複座偵察機。
後部座席の高い位置にルイス機銃を装備している。
英国向けに少数が生産されただけの模様。
N型「ブレット」と同様、特徴的な大型スピナーが目立つ。
Morane-Saulnier BB France
ヴィッカース・ FB5
1915年イギリス
単発・複座戦闘機。
全長:8.3m、全幅:11.1m、全備重量:930kg
エンジン:Gnome 100HP、武装:7.7mm機関銃×1-2、
最高速度:113km/h
古典的な推進式デザインの機体だが前方視界の良さを生かして塹壕掃射などの地上攻撃用に作られた低空用戦闘機。
設計段階から初めて戦闘機としてつくられた史上最初の機体といわれる。
(それ以前は偵察機の転用。というか、軍用機イコール偵察機であった。)
「ガンバス」(Gunbus)というニックネームがよく知られている。
Vickers FB5 Britain
ルンプラー C1
1915年ドイツ
単発・複座偵察機。
全長:7.85m、全幅:12.15m、全備重量:1,333kg
エンジン:Mercedes 160HP、武装:7.9mm機関銃×1~2、
最高速度:152km/h
ドイツ軍の偵察機の中でも、もっともメジャーな機種のひとつで、あらゆる戦線で長期間にわたって使用された。
偵察から戦闘、軽爆撃までこなす、初期の多目的機だが、改良やパワーアップを重ね終戦時期まで一線で使われた。
後には電熱服と酸素マスクを使用しての高高度偵察まで行われている。
Rumpler CI Germany
ユンカース E1(J1)
1915年ドイツ
単発・複座戦闘機。
全長:8.62m、全幅:12.95m、全備重量:1080kg
エンジン:Mercedes D2 120HP、武装:?
最高速度:170km/h
世界初の実用全金属機として有名なユンカースの最初の試作機。
0.2mmの鉄板で作られ、支柱や張線無しの片持ち主翼も非常に先進的。
流石に写真で見ると中翼の翼の付け根が異様に太い。
試験飛行で170km/hと、この時期の飛行機としてはたいへん高速を記録したが、逆に旋回性能は全く悪く、また重すぎて上昇性能も悪かった。
この時期の戦闘機としてはこの2つの性能が悪いのは致命的で、開発は中止され次のモデルに移行していった。
このモデルがユンカースで言う「J1」だが、後の実用地上攻撃機「J4」も軍用名称は「J1」と称される。
この最初の「J1」は、軍の呼称では「E1」と言われている。
ユンカースの場合、このへんがややこしいので注意が必要。
Junkers E1(J1) Germany
L.V.G. C2
1915年ドイツ
単発・複座偵察機。
全長:8.1m、全幅:12.8m、全備重量:1405kg
エンジン:Mercedes D3 160HP、武装:7.9mm機関銃×1-2、
最高速度:130km/h
1915年後半から就役して1917年まで広く活躍した、偵察・軽爆撃機。
前モデルのC1と併せて、ドイツで最初に実戦配備された武装複座機であった。
1916年にはロンドンを空襲し、ヴィクトリア駅の爆撃に成功している。
「L.V.G.」は、製造メーカーLuft-Verkehrs Gesellschaft mbH の略。
L.V.G. CII Germany
レペド 7
1915年ロシア
単発・単座練習機。
全長:6.95m、全幅:7.49m、全備重量:716kg
エンジン:Gnome 80HP、武装:無し、
最高速度:148km/h
航空機開発の遅れていたロシアでは同盟各国からの供給を受けていたが、これはソッピース・タブロイドのコピー製品。
元来、戦闘機のプロトタイプとして作られたようだが、性能不足のせいか、武装されず少数が練習機として使われるにとどまった。
LEBED 7 RUSSIA
シコルスキー S16
1915年ロシア
単発・単座戦闘・練習機。
全長:6.2m、全幅:8.4m、全備重量:675kg
エンジン:Gnome 80HP、武装:7.7mm機銃×1、
最高速度:120km/h
この当時のロシアで唯一ともいえる先進航空産業、シコルスキーによる単発戦闘機。
プロペラ同調式のマシンガンを備えたロシア最初の戦闘機でもある。
シコルスキーの巨大爆撃機「イリア・ムロメッツ」の支援用に開発されたようである。
とはいえ、他国の新鋭機とは性能が劣るため、実際には対戦闘機にはどうだったのだろうか。
資料により、1人乗りと2人乗りのデータがあるが、実際に2人乗っている写真もちゃんとあり、練習機としても使われていたようなので、おそらく改造モデルがいろいろあるのではないだろうか。
車輪は横1列の4輪式で、または雪上用に橇を付けているものが多い。
Sikorsky S16 RUSSIA
チューリン D
1915年 スウェーデン
単発・複座偵察機。
全長:6.5m、全幅:11m、全備重量:585kg
エンジン:Thulin A 90HP、武装:?
最高速度:100km/h
モラン・ソルニエL2のスウェーデンのチューリンによるライセンス生産機。
エンジンはル・ローンの9気筒ロータリーのライセンス改良型、チューリンA。
原型のモラン・ソルニエとは全く同じではなく、カウル、機首回りが改良されているようである。
イノック・チューリンはスウェーデン航空界黎明期のパイロットで医者。
多くの飛行機を設計している。
1918年に1機がフィンランドに寄贈され、フィンランド初の軍用機となった。
THULIN D Sweden
R.A.F. FE8
1915年イギリス
単発・単座戦闘機。
全長:7.21m、全幅:9.6m、全備重量:610kg
エンジン:Gnome Monosoupape 100HP、
武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:151km/h
前方同調機銃をまだ持たない英国軍による一連の推進式戦闘機。
ガンバスなど複座のものよりもかなり軽快でシンプルな骨組みとなっている。
だが、すでにこれが配備される頃にはドイツ軍ではアルバトロスD2が登場しているので時代遅れであった。
結局、実戦配備では最後の推進式となった。
R.A.F. FE8 Britain
R.A.F. FE2
1915年イギリス
単発・複座戦闘・爆撃機。
全長:9.83m、全幅:14.56m、全備重量:1378kg
エンジン:Beardmore 160HP、武装:7.7mm機関銃×2-3、
最高速度:150km/h
複座の前席に旋回機銃をそなえ、推進式エンジンのため抜群の前方視界と射界をもつ。
プロペラ同調式機銃をもつフォッカーEシリーズに対抗するための英国軍の回答がこれら一連の推進式戦闘機であった。
FE2の場合は、偵察、戦闘、後には軽爆撃機として広く使われた。
R.A.F. FE2 Britain
アルバトロス C1
1915年ドイツ
単発・複座偵察機。
全長:7.85m、全幅:12.9m、全備重量:1190kg
エンジン:Mercedes D3 160HP、武装:後方機銃×1、
最高速度:140 km/h
アルバトロスB2をエンジン強化し、後方偵察手に機銃を装備した実戦モデル。
偵察機とはいえ、初めて強力な機銃を標準装備したことにより、戦闘機に近い正確の強襲偵察機として活躍した。
もちろん地上攻撃や軽い爆撃などもこなす、大戦初期のオールラウンダーであった。
大ぶりな機体デザインは、ほとんどBシリーズのままである。
ALBATROS C.I Germany
1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:4.5m、全幅:6.2m、全備重量:650kg
エンジン:Mercedes DI 100HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:180km/h
DFW T.28 Floh
第一次大戦期の戦闘機の中でも珍機種No.1ともいえる機体である。
まるでマンボウのような平たい寸詰まりのボディで”Floh”=「ノミ」というあだ名で呼ばれた。
実際、全長4.5mに対して高さが2.3mという胴体のてっぺん、上翼上にコクピットがある。
前につんのめることを考えると、着陸はさぞ恐ろしいことだろう。
1機のみの試作で終わったのは当然という気もするが、このデザインで180kmもの高速を見込んでいた。
後のあの「ポリカルポフ」や「ジービー・レーサー」などを連想させる。
正面から見たエア・インテイクの形から、「笑う中国人」という名もあるようだ。
DFW T.28 Floh Germany