DFW T.28 Floh

DFW T.28 Floh

DFW T.28 Floh

1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:4.5m、全幅:6.2m、全備重量:650kg
エンジン:Mercedes DI 100HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:180km/h
DFW T.28 Floh

第一次大戦期の戦闘機の中でも珍機種No.1ともいえる機体である。

まるでマンボウのような平たい寸詰まりのボディで”Floh”=「ノミ」というあだ名で呼ばれた。
実際、全長4.5mに対して高さが2.3mという胴体のてっぺん、上翼上にコクピットがある。
前につんのめることを考えると、着陸はさぞ恐ろしいことだろう。

1機のみの試作で終わったのは当然という気もするが、このデザインで180kmもの高速を見込んでいた。
後のあの「ポリカルポフ」や「ジービー・レーサー」などを連想させる。

正面から見たエア・インテイクの形から、「笑う中国人」という名もあるようだ。

DFW T.28 Floh Germany

DFW C5

DFW C5

DFW C5

DFW C5

1916年ドイツ
単発・複座偵察機。
全長:7.87m、全幅:13.27m、全備重量:1430kg
エンジン:Benz Bz IV 200HP、武装:7.9mm機関銃×2、爆弾100kg 最高速度:155km/h

アルバトロスのCシリーズと並び、偵察・着弾観測、軽爆撃までこなす多目的機として活躍。
バランスのとれた使い勝手のよい機種として広く使われ評価も高かった。

生産数も多く、大戦中を通して1000機以上が造られた。

DFW C.V Germany

Pfalz Dr1

Pfalz Dr1

Pfalz Dr1

ファルツ Dr1

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:5.50m、全幅:8.55m、全備重量:705kg
エンジン:Siemens-Halske Sh3 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:201km/h

服用である、ファルツ・D7の派生モデルの三葉機。
中翼はたいへん幅細く下翼も細くなっており、主桁が2本+1本+1本らしく翼間支柱がY字型になっている、
下翼が一本桁の幅細い複葉機を「一葉半」と呼ぶ慣例からいうと、「一葉半半」とでもいうパターンか。

また、ジーメンス・ハルスケの強力エンジンで大径のプロペラを備えたため、主脚がたいへん高くなっている。
同じ系統のエンジンを装備した、ジーメンス・シュッケルトに似た印象の獰猛な感じのデザインである。

10機ほど作られたようだが、評価は低かったらしい。

Pfalz Dr.I Germany

Pfalz D12

Pfalz D12

Pfalz D12

ファルツ・D12

1918年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.35m、全幅:9.00m、全備重量:897kg
エンジン:Mercedes D3a 180HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:170km/h

大戦最後期に登場した主力戦闘機だが、性能は同時期のフォッカーD7の方が高かったようだ。
ただし急降下などでの剛性・耐久性はフォッカーよりも優れていたようである。
同時期のスパッドなどの好敵手と言われる。

エンジンが変更されたためか、D3などとは全く違う印象の機体だ。
むしろD7に似た四角いカウルで、優美というより無骨なイメージ。
ラジエーターグリルが大きくなったということなのだろうか。

Pfalz D.XII Germany

Pfalz D3

Pfalz D3

Pfalz D3

ファルツ・D3

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.95m、全幅:9.40m、全備重量:905kg
エンジン:Mercedes D3 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:169km/h

大戦中期の中堅主力戦闘機で、速度は遅いが機体が頑丈で急降下攻撃に優れていたとされる。
ただし、あまり小回りはきかなかったようなので、いわゆる一撃離脱の典型だったのだろう。

この機体もアルバトロスをさらにスマートにしたような完全に円筒状のスリムボディで美しい。
アルバトロスと同じく当時としては先進的なセミ・モノコック構造である。
エンジンもアルバトロスと同じメルセデスの水冷直列6気筒で、航続力も長い。

Pfalz D.III Germany

Aviatik D6

Aviatik D6

Aviatik D6

アヴィアチック・D6

1918年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.10m、全幅:9.66m、全備重量:920kg
エンジン:Bentz Bz.3b 195HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:192km/h

これまたアルバトロスをややごつくしたような雰囲気のモデル。
水冷V型8気筒エンジンを搭載。
詳しい資料が無いのでよく判らないが、大戦後期の大出力・高速機のようである。

Aviatik D.VI Germany

Aviatik C1

Aviatik C1

Aviatik C1

アヴィアティック C1

1915年ドイツ
単発・複座偵察機
全長:7.9m、全幅:12.5m、全備重量:1242kg
エンジン:Mercedes D II 160HP、
最高速度:142km/h、武装:7.8mm機銃×1

アヴィアティックBシリーズから発展した武装偵察機で、初期モデルは偵察員が前でパイロットが後ろという配列だった。
どうしてそうなったのかよく判らないが後期には普通にパイロットが前という配置に変わったようである。
この時期としてはそれなりに空戦能力もあったようで、英国戦闘機と戦闘して撃墜した実績をもつ。

Aviatik C.I Germany

Pfalz E1

Pfalz E1

Pfalz E1

ファルツ E1

1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.3m、全幅:9.26m、全備重量:535kg
エンジン:Oberursel 80HP、武装:7.9mm機関銃×1
最高速度:140km/h

ファルツがライセンス生産していた、フランスのモラン・ソルニエHから作られた、一種のコピー機。
大戦初期のドイツ機はまだ他国のコピーが多かったようである。

アインデッカー(単葉)機ということでフォッカーE1にもよく似ているし、エンジンも同じ。
だが、性能はこちらの方が低かったようで数は少ない。
いかにもドイツ機らしい、ローゼンジ・カモフラージュの塗装。

Pfalz E.I Germany

FOKKER Dr.1

FOKKER Dr.1

FOKKER Dr.1

フォッカー・Dr.1

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:5.77m、全幅:7.19m、全備重量:586kg
エンジン:Oberursel UR2 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:185km/h

第一次大戦の戦闘機といえば、まず思い浮かぶイメージがこの三枚羽根の優雅なスタイルではないだろうか。
特にこの、撃墜王・フォン・リヒトホーフェンの愛機として知られる機体は、戦争というシリアスかつ無惨な舞台にあって まるでサーカスか遊園地のような真っ赤な陽気なスタイルで、現代文明がまだのどかだった時代を感じさせる。
といっても、もちろんオリーブグリーンの迷彩のものもスタンダードなカラーである。

サーカスのイメージで言う訳ではないが、このモデルは運動性が軽快で上昇力にも優れ、格闘戦に有利な機体だったようだ。
たしかに羽根を3枚にした分翼長も短く、いかにも小回りがききそうである。
また、翼の支柱もI型のシンプルなものでワイヤー張りもなくすっきりしている。

このDr.1をはじめとしてこの当時よく使われる、空冷回転星型エンジンというのは、プロペラとともにエンジンそのものも 回転するメカのようだが、よくそんな回転速度で飛行機が飛ぶもんだと、いつも半分不思議でならない。

Fokker Dr.I Germany

FOKKER D8

FOKKER D8

FOKKER D8

フォッカー・D8

1918年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:5.86m、全幅:8.34m、全備重量:605kg
エンジン:Oberursel U2 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:204km/h

高翼型の主翼が何だかとってつけたような感じの機体だが、実際にフォッカーDr.1の3枚羽根を改造して単葉にしたモデル。
エンジンなどは基本的に同じようだが、最高速度、上昇力のデータが増しているのは主翼の抵抗が減ったためだろうか。
下方視界は間違いなく最高だろうから、地上攻撃や接近戦にはたいへん有利と思われる。

それにしても、この機体といい、DR.1やその他Eシリーズといい、フォッカーのこれらの垂直尾翼の丸い形はデザイン以外の意味があったのだろうか?兵器としての生産性を考えればもっと作りやすい四角とか三角とかにすれば良いだろうに、と思っていたが、骨組みを見ると鉄パイプをぐるっと曲げた枠に羽布を張っていたのだった。

Fokker D.VIII Germany

FOKKER D7

FOKKER D7

FOKKER D7

フォッカー・D7

1918年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.00m、全幅:8.90m、全備重量:850kg
エンジン:Mercedes D3 160HP または BMW.3 185HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:186~200km/h

第一次大戦末期のドイツ軍主力戦闘機。
水冷直列エンジンで大型ラジエーターを備えるので頭が四角く大きく、あまり可愛げはないデザインである。
生産数最大の、最も優秀な量産機種だったようで、対戦後もヨーロッパ各国やアメリカなどでも生産されたそうである。
戦後に敵国で生産するほどだから性能やコスト面でかなり優れていたのであろう。

ちなみにドイツ機の車輪の間のシャフト部分は小さな羽根状になっているのが多いけれど、複葉プラス1として揚力向上などの役に立っていたのだろうか?

Fokker D.VII Germany

FOKKER D6

FOKKER D6

FOKKER D6

フォッカー・D6

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.20m、全幅:7.66m、全備重量:585kg
エンジン:Oberursel UII 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:197km/h

傑作機、D7の出現直前に作られたこのモデルは、D7開発に対する一種の保険的意味合いが大きかったようである。
D7とほぼ同じ主翼、Dr.1とほぼ同じ胴体をもつ、高速のなかなか優れた機体だったらしい。
が、しかし並行してすぐ後にできたD7が大成功だったため、量産には至らなかった。

フォッカーのこのへんのモデルは、Dr.1とD7の狭間でマイナーな存在となっている。

Fokker D.VI Germany

FOKKER D5

FOKKER D5

FOKKER D5

フォッカー・D5

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.05m、全幅:8.75m、全備重量:566kg
エンジン:Oberursel U I 100HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:170km/h

フォッカー、空冷エンジンシリーズの軽快な複葉機。
上翼に後退角をもつデザインで、カウリングから尾翼にかけてのラインはフォッカーらしいものである。
200機以上生産されたが、同時期のアルバトロスが優れていたので、これは主にトレーナー用として使われることが多かったようである。

Fokker D.V Germany

FOKKER D4

FOKKER D4

FOKKER D4

フォッカー・D4

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.30m、全幅:9.70m、全備重量:840kg
エンジン:Mercedes DIII 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:160km/h

このD4はD1からの発展型で、水冷エンジンのシリーズ。
メルセデスの強化エンジンでパワーアップされている。
とはいえ、どのような問題があったのか、性能は期待ほどではなく、生産も40機程度にとどまっている。

Fokker D.IV Germany

FOKKER D3

FOKKER D3

FOKKER D3

フォッカー・D3

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.30m、全幅:9.05m、全備重量:710kg
エンジン:Oberursel U III 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:160km/h

D2の発展型のD3は、オーベルウーゼル・空冷ロータリーエンジンを複列式に強化したモデル。
たしかに、写真を見るとエンジンカウルが妙に長いようである。
機体も強化されているとのことだが、サイズ・重量はほとんど変わりない。
(どうやら資料が間違っている可能性も大だが)

しかし、どうもエンジンの信頼性は低かったということのようである。

Fokker D.III Germany

FOKKER D2

FOKKER D2

FOKKER D2

フォッカー・D2

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.29m、全幅:9.04m、全備重量:708kg
エンジン:Oberursel U.I 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:150km/h

D1と違い、オーベルウーゼル・空冷ロータリーエンジンを搭載してフォッカーらしいシルエットになっている。
フォッカー・アインデッカーと各所に共通の設計が見られ、E3あたりをそのまま複葉にしたようなモデル。
このころのアルバトロスなどに比べると性能も低くマイナーなモデルだが、180機前後作られている。

Fokker D.II Germany

FOKKER D1

FOKKER D1

FOKKER D1

フォッカー・D1

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.30m、全幅:9.05m、全備重量:670kg
エンジン:Mercedes D2 120HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:105km/h

フォッカー初期の複葉戦闘機。
前身のM17から発展させ戦闘機モデルにしたもので、スタイルにはまだタウベあたりを思わせるラインが残っている。
この次以降のモデルと違い、ロータリーエンジンではなく水冷エンジンを使っている。
初期アルバトロスにも似ているが、丸い垂直尾翼がフォッカーらしい。

Fokker D.I Germany

FOKKER E4

FOKKER E4

FOKKER E4

フォッカー・E4

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.20m、全幅:9.52m、全備重量:680kg
エンジン:Oberursel U3 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:160km/h

フォッカーEシリーズの最終型戦闘機。
エンジンが14気筒160馬力に大幅にアップ。

このエンジンは複列エンジンなので、星型7気筒を2段重ねにしたような方式になっている。
だからカウリングを見るとE3までに比べるといやに長くなっている。
単列のものと同じく回転式エンジンだから、馬力がU0エンジンの2倍になっても、重い回転部も2倍になるから効率は悪そうな気がする。

ワイヤー吊り下げの中翼スタイルというEシリーズは個人的にはあまりカッコよくないと思う。

Fokker E.IV Germany

FOKKER E3

FOKKER E3

FOKKER E3

フォッカー・E3

1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.20m、全幅:9.52m、全備重量:610kg
エンジン:Oberursel U1 100HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:140km/h

フォッカーE1の改良版戦闘機。
エンジンがE1の7気筒80馬力から、9気筒100馬力にアップしている。

またこの機は、インメルマン・ターンを発明したマックス・インメルマンの愛機でもあるそうだ。
インメルマン・ターンはコンバット・フライトシミュレータなどにも出てくる古典的な格闘戦の技術である。

これらEシリーズは単葉の主翼をワイヤーで上下から張っている。
平坦な単葉では立体構造の複葉と違い、強度が出せなかったのだろうけれど、そんな機体で宙返りのインメルマンターンなんかやって 壊れなかったんだろうか。ちょっと不安ではある。

さらにこのワイヤーのうち半分は主翼の撓みコントロールを行なうもの。
この機体までは、まだ主翼のエルロンは装備されていず、翼端そのものを捻じ曲げる方式で、その辺には未だ最初期の飛行機の色を残しているのだった。

Fokker E.III Germany

FOKKER E1

FOKKER E1

FOKKER E1

フォッカー・E1

1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.77m、全幅:8.51m、全備重量:560kg
エンジン:Oberursel U0 80HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:130km/h

単葉機だが初期の古典的戦闘機。
最高速も現代の普通乗用車より遅いくらいである。
だがこの機の革新的なところは、史上初のプロペラ同調機構付きの機関銃を装備したモデルということ。

それ以前の機種ではプロペラの回転圏外に機銃を置くか、またはプロペラの一部に防弾用の鋼鉄板を取り付けていた。
この、フォッカー発明の革新的機関銃は、パイロットの視線で照準をつけられるメリットに加え銃弾の効率も良くなるせいか、戦場でのドイツの制空権を勝ち取った。

この軍事機密が知られるまで、フォッカーEシリーズは連合軍にとって伝説的なまでに恐れられたという。
だが、ついに連合軍の知るところとなり、同様の機銃を備え、高性能のニューポールなどの新鋭機に奪い取られていった。

Fokker E.I Germany