FOKKER Dr.1

FOKKER Dr.1

FOKKER Dr.1

フォッカー・Dr.1

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:5.77m、全幅:7.19m、全備重量:586kg
エンジン:Oberursel UR2 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:185km/h

第一次大戦の戦闘機といえば、まず思い浮かぶイメージがこの三枚羽根の優雅なスタイルではないだろうか。
特にこの、撃墜王・フォン・リヒトホーフェンの愛機として知られる機体は、戦争というシリアスかつ無惨な舞台にあって まるでサーカスか遊園地のような真っ赤な陽気なスタイルで、現代文明がまだのどかだった時代を感じさせる。
といっても、もちろんオリーブグリーンの迷彩のものもスタンダードなカラーである。

サーカスのイメージで言う訳ではないが、このモデルは運動性が軽快で上昇力にも優れ、格闘戦に有利な機体だったようだ。
たしかに羽根を3枚にした分翼長も短く、いかにも小回りがききそうである。
また、翼の支柱もI型のシンプルなものでワイヤー張りもなくすっきりしている。

このDr.1をはじめとしてこの当時よく使われる、空冷回転星型エンジンというのは、プロペラとともにエンジンそのものも 回転するメカのようだが、よくそんな回転速度で飛行機が飛ぶもんだと、いつも半分不思議でならない。

Fokker Dr.I Germany

FOKKER D8

FOKKER D8

FOKKER D8

フォッカー・D8

1918年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:5.86m、全幅:8.34m、全備重量:605kg
エンジン:Oberursel U2 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:204km/h

高翼型の主翼が何だかとってつけたような感じの機体だが、実際にフォッカーDr.1の3枚羽根を改造して単葉にしたモデル。
エンジンなどは基本的に同じようだが、最高速度、上昇力のデータが増しているのは主翼の抵抗が減ったためだろうか。
下方視界は間違いなく最高だろうから、地上攻撃や接近戦にはたいへん有利と思われる。

それにしても、この機体といい、DR.1やその他Eシリーズといい、フォッカーのこれらの垂直尾翼の丸い形はデザイン以外の意味があったのだろうか?兵器としての生産性を考えればもっと作りやすい四角とか三角とかにすれば良いだろうに、と思っていたが、骨組みを見ると鉄パイプをぐるっと曲げた枠に羽布を張っていたのだった。

Fokker D.VIII Germany

FOKKER D7

FOKKER D7

FOKKER D7

フォッカー・D7

1918年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.00m、全幅:8.90m、全備重量:850kg
エンジン:Mercedes D3 160HP または BMW.3 185HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:186~200km/h

第一次大戦末期のドイツ軍主力戦闘機。
水冷直列エンジンで大型ラジエーターを備えるので頭が四角く大きく、あまり可愛げはないデザインである。
生産数最大の、最も優秀な量産機種だったようで、対戦後もヨーロッパ各国やアメリカなどでも生産されたそうである。
戦後に敵国で生産するほどだから性能やコスト面でかなり優れていたのであろう。

ちなみにドイツ機の車輪の間のシャフト部分は小さな羽根状になっているのが多いけれど、複葉プラス1として揚力向上などの役に立っていたのだろうか?

Fokker D.VII Germany

FOKKER D6

FOKKER D6

FOKKER D6

フォッカー・D6

1917年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.20m、全幅:7.66m、全備重量:585kg
エンジン:Oberursel UII 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:197km/h

傑作機、D7の出現直前に作られたこのモデルは、D7開発に対する一種の保険的意味合いが大きかったようである。
D7とほぼ同じ主翼、Dr.1とほぼ同じ胴体をもつ、高速のなかなか優れた機体だったらしい。
が、しかし並行してすぐ後にできたD7が大成功だったため、量産には至らなかった。

フォッカーのこのへんのモデルは、Dr.1とD7の狭間でマイナーな存在となっている。

Fokker D.VI Germany

FOKKER D5

FOKKER D5

FOKKER D5

フォッカー・D5

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.05m、全幅:8.75m、全備重量:566kg
エンジン:Oberursel U I 100HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:170km/h

フォッカー、空冷エンジンシリーズの軽快な複葉機。
上翼に後退角をもつデザインで、カウリングから尾翼にかけてのラインはフォッカーらしいものである。
200機以上生産されたが、同時期のアルバトロスが優れていたので、これは主にトレーナー用として使われることが多かったようである。

Fokker D.V Germany

FOKKER D4

FOKKER D4

FOKKER D4

フォッカー・D4

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.30m、全幅:9.70m、全備重量:840kg
エンジン:Mercedes DIII 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:160km/h

このD4はD1からの発展型で、水冷エンジンのシリーズ。
メルセデスの強化エンジンでパワーアップされている。
とはいえ、どのような問題があったのか、性能は期待ほどではなく、生産も40機程度にとどまっている。

Fokker D.IV Germany

FOKKER D2

FOKKER D2

FOKKER D2

フォッカー・D2

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.29m、全幅:9.04m、全備重量:708kg
エンジン:Oberursel U.I 110HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:150km/h

D1と違い、オーベルウーゼル・空冷ロータリーエンジンを搭載してフォッカーらしいシルエットになっている。
フォッカー・アインデッカーと各所に共通の設計が見られ、E3あたりをそのまま複葉にしたようなモデル。
このころのアルバトロスなどに比べると性能も低くマイナーなモデルだが、180機前後作られている。

Fokker D.II Germany

FOKKER D1

FOKKER D1

FOKKER D1

フォッカー・D1

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:6.30m、全幅:9.05m、全備重量:670kg
エンジン:Mercedes D2 120HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:105km/h

フォッカー初期の複葉戦闘機。
前身のM17から発展させ戦闘機モデルにしたもので、スタイルにはまだタウベあたりを思わせるラインが残っている。
この次以降のモデルと違い、ロータリーエンジンではなく水冷エンジンを使っている。
初期アルバトロスにも似ているが、丸い垂直尾翼がフォッカーらしい。

Fokker D.I Germany

FOKKER E4

FOKKER E4

FOKKER E4

フォッカー・E4

1916年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.20m、全幅:9.52m、全備重量:680kg
エンジン:Oberursel U3 160HP、武装:7.9mm機関銃×2、
最高速度:160km/h

フォッカーEシリーズの最終型戦闘機。
エンジンが14気筒160馬力に大幅にアップ。

このエンジンは複列エンジンなので、星型7気筒を2段重ねにしたような方式になっている。
だからカウリングを見るとE3までに比べるといやに長くなっている。
単列のものと同じく回転式エンジンだから、馬力がU0エンジンの2倍になっても、重い回転部も2倍になるから効率は悪そうな気がする。

ワイヤー吊り下げの中翼スタイルというEシリーズは個人的にはあまりカッコよくないと思う。

Fokker E.IV Germany

FOKKER E3

FOKKER E3

FOKKER E3

フォッカー・E3

1915年ドイツ
単発・単座戦闘機。
全長:7.20m、全幅:9.52m、全備重量:610kg
エンジン:Oberursel U1 100HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:140km/h

フォッカーE1の改良版戦闘機。
エンジンがE1の7気筒80馬力から、9気筒100馬力にアップしている。

またこの機は、インメルマン・ターンを発明したマックス・インメルマンの愛機でもあるそうだ。
インメルマン・ターンはコンバット・フライトシミュレータなどにも出てくる古典的な格闘戦の技術である。

これらEシリーズは単葉の主翼をワイヤーで上下から張っている。
平坦な単葉では立体構造の複葉と違い、強度が出せなかったのだろうけれど、そんな機体で宙返りのインメルマンターンなんかやって 壊れなかったんだろうか。ちょっと不安ではある。

さらにこのワイヤーのうち半分は主翼の撓みコントロールを行なうもの。
この機体までは、まだ主翼のエルロンは装備されていず、翼端そのものを捻じ曲げる方式で、その辺には未だ最初期の飛行機の色を残しているのだった。

Fokker E.III Germany

Rumpler Etrich Taube

Rumpler Etrich Taube

Rumpler Etrich Taube

エトリッヒ=ルンプラー ”タウベ”

1914年ドイツ
単発・複座偵察機。
全長:10.0m、全幅:14.5m、全備重量:1,086kg
エンジン:Mercedes D.I 100HP、
最高速度:96km/h

“タウベ”はドイツ語で鳩のこと。
オーストリーのエトリッヒが考案した鳩の形のこの機体は、黎明期の航空機の面影を多く備えたモデルだが、オーストリー・ハンガリー帝国とドイツで多くのメーカーによって生産された大ベストセラーだった。
ルンプラー以外にも、アルバトロス、ゴータ、ハルバーシュタット、LVG、DFWなど、数多くのメーカーで作られ、多くのバリエーションがある。

大戦最初期のころに偵察機として大活躍したが、戦闘機の発達によって1915年には戦線から退いた。
日本軍が中国・青島戦に投入したファルマン機を悩ませたドイツ機としても有名。

Etrich Taube Germany