梅雨時のある日、菖蒲花盛りの北山公園のあぜ道でナミアゲハがたくさん飛んでいた。
畦の一角にかたまって群れていたが、よく見ると浅い水溜りで吸水しているようだ。
雨もようで、このような水溜りはあちこちにあるのだが、この一角にだけ飛んでは戻って群れているのはどういう理由だろう。
何かこのへんの土だけ塩分が多いとか?
さては、犬がおしっこしたか?
月別アーカイブ: 2013年7月
いずれアヤメかカキツバタ
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「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉は子供のころから知っていたが、アヤメやショウブはみんな似たようなものと思っていた。
東村山市のちょっとした名所となっている、北山公園の花菖蒲園は、まさに八国山の南麓の水田跡に造られていて、季節になるとツアーで見物に来る人もいるようだ。
市の広報によると、220種類8千株10万本というというから、都内にいくつかある花菖蒲園の中でもかなりな規模である。
さて、ここに植えられているのは「ハナショウブ」か「カキツバタ」で、「アヤメ」は、このような水田のようなところにはなく、陸上に生えるものだそうである。
では、いわゆる「菖蒲湯」の「ショウブ」は?というと、菖蒲は花菖蒲とは全く別の植物である。と、調べてはじめて知った。
つまり、「ハナショウブ」も「カキツバタ」も「アヤメ」も、アヤメ科アヤメ属で、これらは同じようなものである。
しかし、「ショウブ」は、サトイモ科の植物で花も全く違う目立たないものである。
もし仮に、北山公園の花菖蒲の葉っぱを盗んでいって風呂に入れても「ショウブ湯」にはならないのである。
「カキツバタ」は「ハナショウブ」のマイナー版のようなものらしい。
在原業平の有名な歌、「から衣 きつつなれにしつましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」に詠み込まれているということしか大きなトピックスは無い。
ところが、さらに訳の判らない記述を発見。
・古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブを指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
・古くは現在のアヤメ科のアヤメではなく、ショウブを指して「あやめ」と呼んでいた。
つまり、昔の人も「アヤメ」のたぐいと「ショウブ」をかなりごちゃごちゃにしていたらしいのだ。
あー、ややこしい。
ちなみに、これら、「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」を簡単に見分ける方法がある。
品種も多いので例外もあるのだろうが、花の付け根部分にある斑紋で見分けられるという。
すなわち、「アヤメ」はその名の由来する「文目模様」といわれる網目の柄になっている。
「ハナショウブ」は、この部分が無地の黄色い紋になっている。
「カキツバタ」は、この部分が無地の白い紋になっている。
前述のように、「アヤメ」は生える場所が陸上であるから、覚えておけばすぐ判る。
だが、あとの二種は場合によっては明確な区別が難しいかも。
「いずれがハナショウブかカキツバタ」
これはハナショウブ。花のつけねが黄色い。
これもハナショウブ。
これはカキツバタ。花のつけねが白色。
これはアヤメ。花のつけねが網目模様。生えてるのが陸上。
八国山の謎の鳥声
東村山市・八国山の林で異様に響き渡る複雑な鳴き声の鳥。
オオルリのようでもありキビタキのようでもあり、サンコウチョウに似た部分もあり・・・。
しかし、そのどれでもない。
ものすごく通る声で、こんな声の鳥が野鳥の図鑑や資料に見あたらないとはどういうことか、と調べていくと・・・
その正体はおそらく「ガビチョウ」。
中国からペット用に輸入され逃げて帰化した外来種。
日本の侵略的外来種ワースト100選定種といわれる、悪名高き鳥のようである。
元来は中国南部から東南アジア北部にかけて広く生息する鳥で、中国ではポピュラーな飼い鳥で、鳴き声を競わせるらしい。
見かけは意外と地味な鳥で、眼の回りに眉毛を描いたような模様があるので「画眉鳥」といわれるそうな。
まるで○○のような、というのももっともで、この鳥は他の声のよい鳥の囀りを真似るらしい。
本家の囀りを真似てもっと大きな通る声でアピールする。
このことに生態学的などんな意味があるのだろう?
後日譚
前に、二つ池で水浴びをする鳥を遠くから写真に撮ったことがあったが、小さくしか写っていないので何の鳥か判らないだろうと、放ってあった。
ふと思いついてこの写真を拡大して見てみると、まさしくこれが「ガビチョウ」だった。