いずれアヤメかカキツバタ

[metaslider id=191]

北山公園 菖蒲園

北山公園 菖蒲園 (6月)

「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉は子供のころから知っていたが、アヤメやショウブはみんな似たようなものと思っていた。

東村山市のちょっとした名所となっている、北山公園の花菖蒲園は、まさに八国山の南麓の水田跡に造られていて、季節になるとツアーで見物に来る人もいるようだ。
市の広報によると、220種類8千株10万本というというから、都内にいくつかある花菖蒲園の中でもかなりな規模である。
さて、ここに植えられているのは「ハナショウブ」か「カキツバタ」で、「アヤメ」は、このような水田のようなところにはなく、陸上に生えるものだそうである。
では、いわゆる「菖蒲湯」の「ショウブ」は?というと、菖蒲は花菖蒲とは全く別の植物である。と、調べてはじめて知った。

つまり、「ハナショウブ」も「カキツバタ」も「アヤメ」も、アヤメ科アヤメ属で、これらは同じようなものである。

しかし、「ショウブ」は、サトイモ科の植物で花も全く違う目立たないものである。
もし仮に、北山公園の花菖蒲の葉っぱを盗んでいって風呂に入れても「ショウブ湯」にはならないのである。

「カキツバタ」は「ハナショウブ」のマイナー版のようなものらしい。
在原業平の有名な歌、「から衣 きつつなれにしつましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」に詠み込まれているということしか大きなトピックスは無い。

ところが、さらに訳の判らない記述を発見。

・古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブを指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
・古くは現在のアヤメ科のアヤメではなく、ショウブを指して「あやめ」と呼んでいた。

つまり、昔の人も「アヤメ」のたぐいと「ショウブ」をかなりごちゃごちゃにしていたらしいのだ。

あー、ややこしい。

観光客でにぎわう菖蒲園(6月)

観光客でにぎわう菖蒲園(6月)

ちなみに、これら、「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」を簡単に見分ける方法がある。
品種も多いので例外もあるのだろうが、花の付け根部分にある斑紋で見分けられるという。

すなわち、「アヤメ」はその名の由来する「文目模様」といわれる網目の柄になっている。
「ハナショウブ」は、この部分が無地の黄色い紋になっている。
「カキツバタ」は、この部分が無地の白い紋になっている。

前述のように、「アヤメ」は生える場所が陸上であるから、覚えておけばすぐ判る。
だが、あとの二種は場合によっては明確な区別が難しいかも。

「いずれがハナショウブかカキツバタ」

ハナショウブ

ハナショウブ


これはハナショウブ。花のつけねが黄色い。

ハナショウブ

ハナショウブ


これもハナショウブ。

カキツバタ

カキツバタ


これはカキツバタ。花のつけねが白色。

アヤメ

アヤメ


これはアヤメ。花のつけねが網目模様。生えてるのが陸上。