呪術の体験/分離したリアリティ
カルロス・カスタネダ 真崎義博訳
二見書房 昭和49年(1974)
センセーショナルな第1作で呪術師ドン・ファンと出会い、分かれたカスタネダは運命的な再会をする。
そして前回とは比較にならないほどの神秘体験の深みに足を踏み入れて行くことになる。
この書では「見る」ということの訓練が執拗に繰り返される。
西欧文化のコンテクストでいけば単に薬物使用による幻覚体験ということで、要は「ラリってみました」というだけになってしまうのだが、呪術師への弟子入りという形での体験ゆえに、「戦士として生きる」ことのリアリティが切実に迫ってくるのだ。
若かったこのころ、「知者」になりたい!と、ややミーハーに思ったものである (^^;