新版・登山技術 岡部一彦
山と渓谷社 昭和47年
新版・登山技術 「丹沢ゴキブリ衆」など特異なキャラクターで各種山岳著をものされている、RCC2の重鎮、岡部氏の技術書。
高校時代に入手し、その当時でも具体的内容は古くなっていたが、たいへん参考になったし隅々まで読んだ。
何よりも岡部氏一流の道具哲学が随所に痛快に記されていて面白い。
新らしもの好きや半可通に対する痛烈な批判的記述や、逆に「上には上がいる」式のベテランの話など、何か武士道のような発想が愉快である。

ある意味で、後年のカタログ文化的な解説書と正反対とも見える本である。
しかし反面この本も、道具の案内では具体的商品名や価格が出ているなどカタログ的でもある。
結局のところ、メーカーなどに気を使わず自分の思うままに書けるかどうか、著者のキャラクター性によるのだろう。

道具の内容や一部技術など、今ではかなり古くなっているが、今読んでも面白い。

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